股関節の痛み!股関節の痛み緩和体操、変形性股関節症、臼蓋形成不全、人工関節置換術

股関節は骨盤と大腿骨の間にあり、関節の中でも最も負担がかかるといわれています。
骨盤側と大腿骨側には関節軟骨が覆っていて骨同士が直接ぶつからないようにクッションの役割を果たしています。
関節軟骨は加齢と共に徐々に減っていきますが、股関節は特に負担が大きいためすり減り方も大きくなります。
歩くときは体重の7〜8倍の負荷がかかっています。
画像診断などで股関節の異変を早期発見し、まずは体操などで痛みの緩和を行い人工関節にならないようにしましょう。
痛みが続く場合は手術を検討しましょう。




■変形性股関節症(へんけいせいこかんせつしょう)について

変形性股関節症(へんけいせいこかんせつしょう)とは、骨盤と大腿骨の間の軟骨がすり減り、骨同士が当たり痛みが生じる状態をいいます。
関節軟骨は座る歩くなどの日常の動作で休むことなく働き、こうした負担が長年積み重なり関節軟骨がすり減っていきます。
股関節に病気がある人の大半が変形性股関節症といわれています。
40〜50歳の女性に多く、日本人は遺伝的に変形性股関節症になる人が多いといわれています。
変形性股関節症は悪化しても痛みを感じない場合もあります。
進行性の病気のため股関節に痛みがある人は病院で診察を受けましょう。

■変形性股関節症の症状

・足の爪が上手く切れない
・あぐらをしにくい
・靴下が履けない
・左右に揺れて歩く

変形性股関節症で股関節が変形するとひっかかってしまい様々な症状が現れます。
また股関節が動きにくいため背中や他の筋肉を使って歩くようになるため左右に揺れて歩くようになったりします。

■変形性股関節症による放散痛

変形性股関節症の痛みは太ももの付け根ではなく、腰、臀部、ヒザなどの別の場所に出ることがあります。
股関節には様々な神経が通っているため腰、臀部、ヒザなどに放散痛として現れることがあります。
放散痛とは、原因の部位とは異なる場所に痛みが起きる痛みをいいます。

■臼蓋形成不全(きゅうがいけいせいふぜん)

変形性股関節症になる人の約8割に臼蓋形成不全(きゅうがいけいせいふぜん)と呼ばれる状態がみられると考えられています。
臼蓋(きゅうがい)とは大腿骨わお支えるくぼみのことをいいます。
正常な場合、骨盤の骨は大腿骨の3分の2以上を覆っているのが普通となります。
臼蓋形成不全(きゅうがいけいせいふぜん)の場合は、骨盤が十分に発達していないため大腿骨を覆う範囲が狭くなっています。
そのため通常より少ない範囲で体重を支えることになり軟骨への負担が大きくすり減りやすくなってしまいます。

■人工関節置換術

骨盤の一部と大腿骨の一部を削ります。
削った骨盤側には半球状の金属と軟骨のかわりになる素材を取り付けます。
大腿骨側には細長い金属を差込み、その先に球状の金属をはめます。
この2つが合わさることでスムーズに動くようになります。
人工関節置換術の手術時間は1時間〜1時間半ほどになります。
最新の器具は、きちんと固定されると骨がじわじわと浸透していき骨と一緒に固まっていくそうです。
適切なリハビリを行えば手術後2日ほどで歩けるようになるそうです。

●ナビゲーションシステム
画像をもとに手術の正確な手順をナビしてくれます。
肉眼では見えにくい部分もナビゲーションシステムで「見える化」してサポートしてくれます。

■骨切り術

骨盤側の骨を切り取り位置をずらして、大腿骨側の球状の部分が深く合わさるようにします。
主に50歳未満の軟骨がある程度残っている人対象の手術法になります。
骨切り術を行っても再び軟骨がすり減ってしまい、人工関節置換術を検討することになる場合もあります。

■股関節の痛み緩和体操

股関節の奥にあるインナーマッスルをいかに動かすかが重要になります。
力を抜いた状態で関節をよく動かすことが基本的な考え方になります。

変形性股関節症は進行性の病気のため安静にしても良くなりません。
痛む場合は安静にした方がよいですが、安静のままでは改善されません。

●足揺らし体操で股関節の痛み緩和
イスに浅く腰掛け、手をヒザの上に置きます。
足を肩幅程度広げ、ヒザをリズミカルに内側と外側に揺らします。
力を抜いて動かすのがポイントです。
気付いたときに行うと良いです。

●骨盤体操で股関節の痛み緩和
腰に手を当てて、ゆっくり骨盤を前後に傾けます。
おへそが前のほうに出たり入ったりする感じで行います。
腸腰筋のインナーマッスルが刺激されます。
1日10回を2セット行います。
バスタオルをイスに敷き、その上に浅く腰掛けて行うとやりやすいです。

●うつぶせ体操で股関節の痛み緩和
枕を床に置いて、その上に骨盤が乗るようにうつぶせになります。
背中の力を抜き、お尻だけ揺れるようにリラックスします。
そのまま小刻みにお尻を左右に振ります。
背中は揺れないようにします。
1日30秒を1セット行います。

●ヒザ開き体操で股関節の痛み緩和
仰向けになり、両足をそろえてヒザを立てます。
手はお腹の上に乗せてリラックスします。
ヒザをゆっくり開いていきます。
ヒザをゆっくり閉じていき元の体勢に戻します。
初めのうちは無理に開かないようにしましょう。
内ももがじんわり伸びるのを感じたところで元の体勢に戻します。
慣れてきたら徐々に開く範囲を広げていきましょう。
ヒザを開く際は腰を床につけたまま行うのがポイントです。
1日10回を2セット行います。

■変形性股関節症の治療の名医(2017年3月時点)

神奈川リハビリテーション病院 病院長
杉山 肇(すぎやま はじめ)先生

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